Home My School~ホームランの約束~
「なんであいつ逃げてったの?」



「ん!?……お前覚えてなさそうだね」



「何が?」



「お前、階段から落ちたときすごいことしてたんだから……たまたまだと思うけど。」



「えっ!?」



「五十嵐をかばおうとして落ちたんだろ?……んで、意識失ってて知らないと思うけど。……お前、五十嵐とキスしてたんだぞ」



「へ!?」



「一番最初に駆けつけたのが俺と、楢崎でさぁでも助けなきゃって必死だったけど今思うと……なぁ。」



「他に誰か見てた?」



「俺らだけだ」



「よかったぁ~」



俺、宙と……



くっそ~なんで気絶してたんだ俺。



宙のキス顔みとけばよかった



……!



俺今、何考えてた?



やべぇ恥かしっ



俺にはちゃんと海という存在がいるんだから



「おーい大崎先生!なにニヤニヤしてんの?」



すると耳元に霧島先生が近づいてきてこう言った



「今、``五十嵐のキス顔みとけばよかった''とか思ってただろ?」



「ブハッ///」



俺は思わず吹き出してしまった



「ははぁー、図星だぁ」



「ち、違うよ」



「お前さぁ、ちょっとは奥さんのことも考えてやれよ」



そんな事わかってる



でも今は宙の方が大事だ



さっきは楢崎たちと笑ってたけど本当は相当辛いんだと思う



宙は勉強できないし、鈍感だし、けど唯一の取り柄がソフトだもんな



スポーツ選手にとってケガで大会出れないのは一番悔しいんだ



俺は一番よくわかるよ……


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