Home My School~ホームランの約束~
お見舞い
病室に入るとすぐに先生の姿が目にとまった
先生は真剣に何か紙に書いていた。
「せーんせい」
心美が呼んだ
「おー楢崎!宙も。どうしたんだ?部活は?」
「宙が先生のとこ行くって言うから……」
「そうか。……俺も宙に用事があったから、丁度よかった」
「用事って?」
先生は書いていた紙をみせてくれた。
「これって……メンバー表?」
「そう。今度の試合のこと考えてたんだよ。」
先生も考えてたんだ
「私たちもそのこと聞きにきたんだ。」
「俺もどうしようかと思ってさ。当日は副顧問として裕平先生が行くと思うんだけど……スタメンとか、守備位置とか、ルールだってろくに知らないと思うんだ。」
そう、副顧問の綱木裕平先生は若いんだけど、スポーツとか出来なそうで試合になんか一度もきたことがない。
「私たちもそう思います。やる気はありそうだけど」
「それなんだよ。やる気が逆に空回りしちゃったりしてな」
裕平先生がノックで空回りしている姿を想像して思わず笑っちゃった
「先生あのね……じゃなくてあのですね、」
ヤバイ、タメ使っちゃった。
「いいよ普通にしゃべって、楢崎も知ってるんだろ、俺と宙の関係。」
「知ってますよ。」
軽々しく答えた心美。何でもなかったかのようにあっさりしている先生。心美に話した」こと……知ってたんだ。
「今日は改めて先生に謝りにきたんだ、先生にケガさせちゃってごめんなさい。しかもこんな大事な時期に……当日先生は行けないし、最後かもしれない先輩にも迷惑かけちゃうし。だからせめて私に出来ることないかな?って思ったら先生に会いに来ちゃったんだ。」
これが私の本当の気持ち。
どうしていいか分からなくて気が付いたら病院に来ようとしてた。
それはやっぱり、まだ先生のことが好きってことなんだ。