愛し君へ


私は、今年で二十歳になろうとしている。
将軍のお膝元と言われている江戸に叔母とともに住んでいる。

母は、私が四歳の時に他界し元々父の居なかった私は大きな宿屋を営んでいる母の姉に預けられた―


何故か私は預けられた時から叔母から疎ましがられていた。四歳の私に対し、過酷な仕事を押し付け

少しでも失敗すれば酷い仕打ちを受けていた。


それでもなんとか16年間ここで生きてきた。何度も逃げだそうと思ったが
私には、叔母の元から離れて一人で暮らしていけるほどのお金と力がない―


ただ毎日を宿屋の仕事に費やし叔母の鬱憤を晴らすために殴られ蹴られ―
希望さえ目に映る事はなくなった…


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