らっく!!~番外編~
もうだめだと思った
匡人はいつだって何を考えてるかわかんなくて
私には手に負えない
……それでもいいと思ったのも確かだけど
捕まえたくせに餌をくれない最低な飼い主に私はやきもきしていて
心のどこかで檻が壊れるのを望んでいたのかもしれない…
でも崩壊は私の望んだ形では訪れなかった―…
「…ひどい顔…」
朝、鏡に向かって呟く
泣きすぎの加えて寝不足なこともたたって私の顔はひどいことになっていた
完璧を誇っていた肌は荒れ放題
ちゃんとしなきゃ…
ただでさえ匡人と私の様子を周りは固唾を飲んで見守っているんだから
心配も同情もいらない
あいつに突き放されたって私は生きているし、これからも生きていける
……夜、匡人の顔がちらついて寝れなくても