赤い狼 壱
扉を閉めた後、急に力が抜けてずるずると扉を伝いながら座り込む。
「恥ずかしすぎて死ぬ…。」
静かな部屋に上ずった声を響かせながら火照った頬をもう一度、両手で包む。
包んだ手は、さっき頬を冷やした時に使い物にならなくなっていたらしい。
一回目に感じた掌の冷たさは感じられない。
頬の熱で温くなってしまっていた。
それは私の頬がどれくらい火照っていたかを表していて。
もっと、頬が熱くなった気がした。
…そういえば隼人、明日も来いって言ってたけど本当に行ってもいいのかな?
あ。でも、隼人はそう言ってたけど皆には言われてないし…。
塚、皆にちゃんとした挨拶してからお別れしてないし…。部屋飛び出してきちゃったし。
「最悪…。」
深くため息をつく。
行きづらいなぁ…。
でも、隼人に絶対って言われたし。どうしよう。
鞄をソファーに置きながら自分の体をベットに投げだす。
「眠い…。」
今日は色々ありすぎた。
ごろごろとベットの上を転がりながら今日一日の出来事を思い返す。