赤い狼 壱
…は?いやいや、意味分かんねぇんだけど。
隼人から聞いた言葉を確認するように呟く。
「教えねぇ?」
何でだ。
「何で教えてくれねぇんだよ?」
「…お前が知ってどうすんだ?」
隼人の傍に駆け寄って言うと、雑誌を見続けたまま隼人が言い放つ。いや、知ってどうすんだ?ってそりゃあ答えは一つだろ。
「迎えに行くに決まってんだろ。」
ふて腐れたような、喧嘩腰のような、意味不明な態度でそう溢す。
それを聞いた隼人はまた、フッと笑った。馬鹿にしてる笑い方だ。
「じゃあ尚更教えることは出来ねぇ。」
「何でだよ!」
「連に教えるつもりはねぇ。」
「俺に教えるつもりがねぇ理由を言えよ!」
「教えたくない。」
…子供かよ。
ぐっ、と作った拳を握りしめる。子供みてぇな嫌がらせに負けてたまるか!
「じゃあいい。ケー番教えろ。」
「駄目だ。」
「じゃあメアド。」
「駄目だ。」
…何でだよ!