赤い狼 壱






「稚春の学校は女子高だ。連が女子に囲まれねぇわけねぇ。そうだろ?」



「あー、要するに連がその状況の中、稚春を待てるわけない。と。」









奏の推理を聞いた隼人が意地悪な笑顔を見せる。





「すぐさま帰ってくるのが楽しみだ。」



「………。」





そう呟いてページを一枚、めくる隼人に奏は苦笑いを顔に張り付けて




「(連が可哀想。)」




とほんの少しだけ、思ったのだった。





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