赤い狼 壱
:《SINE》というのは。
ズカズカズカズカ…。
連の顔を驚いた様子で凝視しながら道を開けるヤンキー達の中を連はお構い無しに通って階段を荒く登る。
――バンッ――
「ちょっ!ドアが壊れたらどうするのっ!」
「そん時はそん時。」
…なんか怒る気も起きんわ。
平然と答える連に無言の返事を返す。不良の考えることはイマイチよく分からんわ。
ところで。
「連、もう降ろして。恥ずかしいし。重いでしょ?」
まだ"お姫様抱っこ"という、恥ずかしい行為をしている連に眉を歪める。
本当、顔から火が出そうになるから止めて。