赤い狼 壱
「りむって…。」
「それは噛んだの!無理!絶っっっ対無理!!だって髪の毛カラフルにしたくないし、今の学校とかも辞められないし!塚、そんな急に変身なんて出来るわけないし!!」
無理無理無理!どう考えても無理!!
「誰もヤンキーになれなんて言ってねぇだろ。」
誰が何を言おうと絶対に落ち着きを取り戻そうとしなさそうな状況の私。
そんな私に冷ややかな視線を送って、冷静な一言を浴びせた人が一名。隼人だ。
ヤンキーになれって言ってない?ん?そうだっけ?え、でも仲間ってそういうことを言うんじゃ?
隼人の言葉が未だに理解できなくて頭にハテナマークを浮かべていると、隼人が盛大なため息をついた。
ちょっ、幸せ逃げるぞ!?
「だいたい、早トチリし過ぎなんだよ。馬鹿が。」
「っ!!Σ( ̄□ ̄;)」
「うっわ、ブス。」
「(;;;゜;;ё;;゜;;;)」
「殴るぞ。」
「すみません。」
怖かった。殺意を感じた。ただ、汗を大量に流して目を点にして口をすぼめただけなのに。