赤い狼 壱




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ピピピピピピ…――カチッ







「……やば!今何時!?」



目覚まし時計の音で起きて早々焦る。え、ちょ、目覚ましちゃんと合ってる!?



急いで枕元に置いてあった時計を取る。



「…朝の3時。」



大丈夫だった。あー良かった。


クッキーを作る時間があることに安心しながらキッチンに向かう。さてと、今から500人のクッキー作りだ。



昨日スーパーで買った材料をキッチンに並べる。材料を買うときスーパーで変な目で見られて弁解するのが大変だったよー。そりゃ、買い物かご二つにクッキーの材料を溢れんばかりに詰め込んで買ってるのはどうかと自分でも思うけどさ。別にあんなにジロジロ見なくてもいいじゃないか。重たいかご二つを軽々と持ってるからって、お菓子売り場でお菓子選んでる男の子に「怪力ばばぁ!」って言われる筋合いはないよ、こっちは。本当に、最近の若い子ったら。




ぶつくさと文句を呟きながらクッキーを作り始めて数時間後。クッキーは無事に出来た頃に奴は来た。





「そこのゴリラ開けろー!」




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