赤い狼 壱
おっちょこちょいか?それとも俺に届けてもらうためにわざと置いていったのか?そんなに俺に会いたいのかよ。
いきなり現れてきて自意識なことをペラペラスラスラと口にする茂さんが現れた。
あ、忘れてた!それ大事!!
茂さんの手にぶら下がっている複数の紙袋を見て「あー!!!」大声をあげる。すると「うるせぇよ。」すかさず後ろから銀のげんこつが降ってきた。
「乙女になんてことするの!」
「はぁ?乙女ー?どこに居んだよ~。俺は乙女っていうのは花柄や派手な色に囲まれて艶やかな髪とナイスバディを持ち、ぷるんとした唇と何より大事なのは子作りのために欠かせねぇ引き締まった「うわぁああああぁあ!!」」
銀はどこまでも破廉恥だった。最低!最っっ低!!!
あまりの衝撃発言に顔を赤らめながら銀の口を掌で覆って破廉恥トークを封印する。それを見ていた茂さんが「稚春ちゃんって純粋だな。可愛い可愛い。」癒しをくれた。あぁ、茂さんは素敵だわ…。
さっきの破廉恥野郎と比べてとても紳士な茂さん。思わず、さっき子供じゃないのねとか25歳とか言っちゃってすいませんでした。と謝りたくなった。
「茂さんごめんなさい。忘れてました…。」
「別に大丈夫。ちょうどこっちに用があったし。」
にこり。笑いながら頭を撫でてくる茂さんに慌てて立ち上がり茂さんが持っている荷物を渡してもらう。
その笑顔が凄く輝いて見えたのは間違いないだろう。あぁ、茂さんは本当に優しすぎだ。