赤い狼 壱
すると皆は
「サンキューな!稚春!」
「おぉ!うめぇ!ありがとな、稚春!」
「…サンキュ。」
「俺も貰えるとは…ありがとう。味わって食べるよ。」
「やっぱ稚春だな。サンキュ。」
と次々とお礼を言ってきた。
…良かった。喜んでるみたい。
あ。
「そうだ!私、下に行って皆に配ってくるね!」
あっぶない!
忘れるところだった!
と慌てて大量の袋を持って部屋を出ようとする。
「はぁ!?お前、あいつ等の分も作ったのか!?」
隼人がビックリした様子で私に聞いてくる。
「うん?そうだけど?」
「そうだけど?って…500人ぐらい居るんだぞ!?」
「え。うん…だから、500人分とちょっと…作ってきたよ?」
そう言いながら持っている袋を隼人に見えるように上げる。