赤い狼 壱
すると、隼人が
…はぁーー。
と長いため息をついた。
…何でため息をつくんだ。
隼人の態度に少し、ムッとする。
「何よ!何か文句あるの!?」
「いや…無い。けど…俺も手伝う。」
………………。
「…はっ?」
隼人が手伝う~?
そんな馬鹿なっ!
「うるせぇ。手伝わなきゃ約500人に配ってたら深夜になっちまうじゃねーか。
俺が手伝うつってんだから手伝うんだよ。文句あんのか。」
いいえ。文句なんて何一つありません。
首を横にブンブンと振る。
…そういえば隼人、エスパーだった。今度から至らない事考えるの止めよう。
「よし。配りに行くぞ。」
隼人はクッキーが入った袋を私の手から全部取りスタスタと歩き始める。