赤い狼 壱
そう思って私の髪を掴んでいるギャルの手を掴もうとした瞬間――――――
「ちょっと、5人対1人は卑怯なんじゃない?」
「私の友達を離してよ。」
と聞き覚えのある声がした。
この声は――――――
「実!香!」
私が二人を呼ぶと実は
「早く帰るわよ。」
と言ってニヤッと笑う。
香は
「もぅ!心配したんだよ~?」
と相変わらずのトーンで言って穏やかに笑った。
…よく言うよ。
私置いて先に帰っちゃったくせに…。
…戻ってきてくれたの?
そんな事を思いながら二人を見る。