赤い狼 壱
…御愁傷様です…。
私はこの時、この人達だけは絶対に敵に回さないと誓った。
「よし、帰ろっか。」
実と香が私に手を差し出す。
「ふふっ。そうだね。」
二人に笑い掛けながら差し出された手を取る。
「ははっ。馬鹿っぽ~い。」
「本当。何してんの。うち等。」
そう言いながらも二人は繋いだ手を強く握ってくれた。
私は二人の手の温かさを感じながら
…時々恐い面も見えるけど…
この二人と友達やってて良かった。
そう、素直に思った。