赤い狼 壱





赤髪男がそんな事を言うから、思わず顔が赤くなった。




みるみる内に熱が顔の中心に集まっていく。




だけど、その反面



いきなり呼び捨てかよ!



とちょとムッとする。




あ。塚、




「そういえば…私、あんたの事なんて呼べばいいの?



…隼人君?隼人?赤髪男っ?隼人様!?ど、どれっ!?」




どれで呼べばいいのか迷う。適切な呼び名がありすぎ。



またギャンギャンと騒ぎ始めた私に赤髪男は、大きくため息をつく。




「お前、本当にうるせぇ。呼び方は、隼人でいい。…隼人様も捨てがたいけどな。



あと…、赤髪男はリストに入れなくていい。」




赤髪…じゃなくて隼人は"赤髪男"という素晴らしい呼び名がとても気に入らなかったみたいで顔を顰めた。



…そんなに嫌がらなくても。




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