赤い狼 壱








…え?





私、連に抱き締められてる?









連に抱き締められてる事に気付いて慌てて連から離れようとする。







でも連の抱き締めてる力が強くて連から離れられない。









「…連?」




なかなか離そうとしない連に話し掛けてみる。





すると連は




「何…。」




と言って私の肩におでこを乗せてきた。







「離して…。」



「やだ。」




やだって…。




「何で?」



「…此所なら誰も見てないから思う存分泣け。俺はこうやって見ないようにしてやるから。」












……。








ズルいよ。




こういう時だけ。








優しくしないでよ。











…でも…
















ありがとう。













< 251 / 299 >

この作品をシェア

pagetop