赤い狼 壱
…え?
私、連に抱き締められてる?
連に抱き締められてる事に気付いて慌てて連から離れようとする。
でも連の抱き締めてる力が強くて連から離れられない。
「…連?」
なかなか離そうとしない連に話し掛けてみる。
すると連は
「何…。」
と言って私の肩におでこを乗せてきた。
「離して…。」
「やだ。」
やだって…。
「何で?」
「…此所なら誰も見てないから思う存分泣け。俺はこうやって見ないようにしてやるから。」
……。
ズルいよ。
こういう時だけ。
優しくしないでよ。
…でも…
ありがとう。