赤い狼 壱
――――――――
―――
「…で、スッキリした?」
連は私の顔を少し微笑みながら覗いてくる。
「う、うん。スッキリした…。」
あんな泣き方を今まで生きてきた中で一回もした事が無いのに連の前でしてしまった事に何だか恥ずかしくなってきた。
「…………。」
「…………。」
暫しの沈黙。
き、気まず…。
な、何か話題…
沈黙が辛くて焦って話題を探していると
「まぁ、そんな固くなんなって。今まで通り、稚春は普通でぃぃんだよ。」
と連が微笑んだ。
「…はい。」
緊張しているのか何故か敬語になった。
――ブッ――
「はいって何だよ。はいって。何で敬語なんだよ。」
連がお腹を抱えて
「苦しー!」
とか言いながら笑っている。