赤い狼 壱
…何で反らすの?
…なんか…ムカつく。
「ちょっと、銀!何で私から目を反らすの?」
少し怒りながら銀の顔をグイッとこっちに向かせて近寄る。
すると、銀は焦った様子で
「俺、稚春とはできないなぁ~。」
と言ってまた目を反らした。
…は?
何で?
銀の言葉に少し、ショックを受ける。
「…何で私とはできないの!?」
背の高い銀を見上げながら怒る。
すると、今までのやりとりをみていた連が不機嫌な顔で近付いてきた。
…?
「連、笑い止まったの?良かったねぇ。
あ。そうだ。聞いて~!銀が私の相手してくれないんだって!酷いと思わない!?」
連に少し興奮気味に同意を求める。