赤い狼 壱
すると、連は
「あ。稚春、わりぃ。」
と言って私を離してくれた。
…何とか…
助かった…。
塚、いっつも棗に助けてもらってばっかりだなぁ。
…あ。
いつものお礼に銀に教えてもらったアレ、棗にやってみよっかなぁ~♪
ちょっと悪さをしたくなって棗に近寄る。
そして銀に教えてもらった通り…棗を下からウルウル目で見つめて、首を45度にコテンッと傾けて
「棗~~~。恐かったよ~。助けてくれてありがとう~。」
と言ってギュッと抱きついた。
…なんか…
棗、ぃぃ匂いするんだけど…。
柑橘系の匂いだな…。