赤い狼 壱
ニコッと笑いながらそう言うと連が
「銀のせいじゃねぇーか!」
と銀の胸ぐらを掴んで物凄い剣幕で怒った。
でも、銀は
「はぁ。確かに教えたが…俺は棗にやれなんて言ってねぇから。棗にやったのは稚春の意思だろ。」
と超めんどくさそうに連の腕を払う。
すると、連はブルブルと震えだして私に
「稚春!」
と言いながら近付いてきた。
…連…
か、顔が恐い…。
あまりの連の顔の恐さに後退りする。
でも、連は近付いてくる。
「ご、ごめん?何で謝ってるのか分かんないけど…ごめんなさい!」
私はテンパって意味不明な事を連発してしまった。
すると…――――