赤い狼 壱
「俺にも棗にやったあれ、やって!」
と言って抱きついてきた。
…は?
「な…にそれ。」
連の言葉にさっきまで力んでいた力が一気に抜けていって、そのまま床にペタンと座る。
「何だよ~!連に殺されるかと思ったぁ~!」
さっきの連の恐さと安心感で涙が出る。
「こ、殺されるって!」
「だってぇ~、恐かったんだもん!」
涙を拭いながら連を見る。
すると連は
「だぁあぁああぁあ!」
と言って部屋から出ていってしまった。