赤い狼 壱
すると、またまた話を聞いていない銀と奏が
「銀様と一緒に寝るか?」
「俺と一緒に寝る?」
とほぼ同時に言ってきた。
…いや…だから…
と四人の勢いにタジタジになっていると
「はぃはぃ。稚春が困ってるだろ。解散、解散。」
といつも助けてくれる棗様が皆をシッシッと追い払おうとする。
救世主がいたのを思い出して四人から逃げるように棗の背後に隠れて背中に顔をうずくめる。
すると連と奏が
「「あ゙ー!棗ばっかりズルい!俺も俺も!」」
とこっちに向かって走ってきた。
それにビクッとしていると
「駄目。稚春が怖がってんだろ。あと、稚春は俺の部屋で寝かせるから。」
と連と奏を両手で止めてくれた。