赤い狼 壱
「うん。知ってる…。」
「そっか。じゃぁ考えてみてよ。稚春が一人で部屋で寝てるとする。んで、このメンバーの中で夜這いをしてきそうな人は?想像してみて?」
…ふむふむ。
一人で寝てて――――
んでこのメンバーの中で夜這いをしてきそうな人は…四人。
勿論、棗を除いて。
だって、棗が夜這いをするわけ無いじゃんね?
それで…四人がもし私の部屋に入ってきたとして…
………………
ゾッ!!
想像して思わず身震いした。
「えーと、分かりました。一人が一番危険です。」
「でしょ。」
私の答えに満足したようで棗は満面の笑みを見せる。