赤い狼 壱
:初、お泊まり
あれから棗の部屋に入って棗と二人きりなんだけど…
き、気まずい…。
何か話題…話題…。
と頭をグルグルと回転させる。
「稚春?」
「うひゃぁ!?」
…///
なんともまぁ…女っ気の無い声が出てしまった。
「クックックックッ。ごめん、ごめん。驚かせちゃった?あのね、服どうする?って聞こうかと思って。」
と棗は首を傾げる。
…あ、そうだ。
服、制服のままだった。
どうしよう…。
着替えとか勿論持ってきてないしなぁ。
と悩んでいると
「俺ので良ければあるけど…どうする?制服、ぐちゃぐちゃになるよりはマシだと思うんだけど。」
と親切に棗は服を差し出してきた。