赤い狼 壱





――ガララララ…――





大きな建物の扉が軽快な音を立てて開く。



そこで、隼人に引きずられながら目にしたのものは…





「な、何これっ!!」





とってもカラフルな頭をした男達が、私達の通る道を開けて深々と頭を下げている光景だった。




……あ、あり得ない。




口をポカンと開けて、唖然。


混乱しすぎて言葉が出てこない。な、なんてカラフル…。it A ビューティホー。


て、テンパりすぎた。



塚コイツらどこからどう見ても不良だ。不良。



不良っていけないんだ~。不良…ふ…りょう?ちょっと待った。



不良ってあの不良だよね?あの鉄バットとか握って出てきちゃうやつだよね?ここにいる全員、不良ちゃんだよね?


じゃ、じゃあさ。


その不良ちゃんに深々と頭下げられてる隼人って実は凄い大物なんじゃ……。




ぶわっと冷や汗が沸いて出てくる。もしかして、私ヤバい状況?現在進行形でヤバい感じ?




自問自答しながらダラダラと冷や汗をかく私に構わず、隼人は何の迷いもなくカラフルな頭の人達の開けた道を颯爽と進む。



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