赤い狼 壱





だからこそ、ビックリした。何でその素晴らしい愛らしい笑顔でその質問?



塚、チョー爽やかに言ってるけど全然爽やかに言うところじゃなかったよ。




っていうかね、






「はぁあぁぁあっ!?」






おかしいんじゃないかな。





突然の私の叫び声に緑モヒカン男は肩をビクッと震わせた。




周りの皆も、下げていた頭を上げて私を驚いた顔で見ている。



そりゃそうだ。だって私、全力で叫んだもん。




「何だ。うるせぇぞ。」




でも、そんな中でも、動じてない人が一人。




それは、もちろん隼人で。




うるさいじゃないよ。馬鹿じゃないの。動揺してよ。逢ってまだ一時間も経ってないのに恋人に見られてるよ。おかしいんじゃない?


塚、見た目が駄目な私が美形な隼人の彼女だって思われていいのかい、君は。




いいや、良くないよ良くない。と首を振る私に隼人は、私が突然大声を上げた事に対して、まだ不満があるような顔をしている。




「だって隼人。この人さっき私が隼人の彼女なのかって…。」



隼人に、違うって言ってっ!と視線を送る。



だけど、隼人は皆に恐ろしい言葉を放った。




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