赤い狼 壱





ベー!と隼人に舌を出す。そして、さっきから気になっているものへ視線を向けた。



さっきから背中にチクチクチクチクと視線が刺さっている。



非常に痛い。



恐る恐る後ろを振り返る。まぁ、その視線の犯人はさっき部屋を見渡した時に見たから分かってるんだけどね。


それでもやっぱり、じっくり顔は見たいじゃないか。



フフッ、と不気味な笑いを溢しながら最後は一気に後ろに振り返った。



すると、目を大きく開かせた黒髪の男が後ろにあぐらをかいて座っていた。



黒髪に、短い髪の毛のツンツンヘアーで前髪は上げていて。背は私より小さい。



鋭く睨んできている黒髪くんをジッと見つめる。


すると、ふいっと顔を逸らされた。感じ悪。


なんだかムカついて頬をプクーと膨らました。



塚、誰か喋ってよ。何で二人とも話しないの。


男二人が全く口を開かないから部屋は静まり返っている。




気まずい…じゃん。



っていうか…黒髪男から何か、近付くなオーラが…


なんかこう…黒いオーラが醸し出されちゃってますよ…?




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