赤い狼 壱
キレるってこんな感覚なの、と火照る頬を私の冷たい両手で冷やしながら漠然と思う。
"頭に血が上ぼる"ってこういう事を言うのか、と妙に納得した。
黒髪くんを睨む。
なんだか、イライラが止まらない。
「あんたのその態度、イライラするんだけど!」
「う、うるせぇ!!」
「はぁん?喧嘩売ってんの?あんた。」
「黙れや糞が!俺に喧嘩売ってんじゃねぇ!」
「ブッチーン。キレた。マジでムカつく。
ここは勝負よ!そのゲームでどっちが強いか勝負しようじゃないか。」
「やってやらぁ!」
バチバチと火花を散らしながら黒髪くんから差し出されたコントローラーを奪い取る。
見てなさいよ。本当に勝ってやるんだから。
「三回勝負よ。」
腕を組んで、背が小さい黒髪くんを見下す。
「ふん。負けて痛い目見るのはそっちだからな。」
上から目線、ムカつくんですけど。
こうなったら、意地でも勝ってやる!