赤い狼 壱
「おっしゃ。任せとけっ!」
―――ピコピコピコ、ガンッ!ジャジャーンッ!!
「っっ!よっしゃーー!!勝ったぜっ!稚っ春ー!」
「おぉー!良かったねぇ。って、ギャー!押し倒すなっ!!」
ゴチンッといい音を出して頭が床にぶつかる。
痛い。普通に痛い。
自分の頭をゆっくりと優しく撫でる。大丈夫か、私の頭。
「稚春、好き好き~。」
「………。」
だいぶ痛みが引いてきた頃、連が私の頬にすりすりと自分の頬を擦り付けてきた。
何コイツ。可愛いんだけど。
本当はこんなに可愛いんだな~。と目を細めて連のツンツンした頭を撫でる。
うん、引っ付いてきて飼い主になつく猫みたい。
それよりもゲーム対決、意外と面白かったな。
白熱したゲーム対決を思い出す。あれから三回勝負をした結果、私が勝った。
連のゲームの腕前は私が思ってたより上手だったけど、私に全勝された連は見事に、拗ねた。
そして、唇を尖らせて拗ねた連に上達する方法を教えたら気に入られて仲良くなった。
そして、今の状態。
喧嘩するほど仲がいいっていうのはこういう事を言うんだったのか。
なんて、呑気に思ったりする。