赤い狼 壱
:個性豊かなヤンキー達
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あぁ、そうだった。
それで、今に至る訳だ…。
ぼんやりと思い出した事を頭の中で整理しながら周りを見渡す。
「何で俺が外に出なきゃなんねぇんだっ!うるせぇのはお前らだろっ!」
「はぁっ!?お前の方がうるせぇんだよっ!」
「てめぇ、喧嘩売ってんのかっ!」
「ギャハハハハッ!!ヒィー!ギャハハハッ!」
「あーっ!おっかしーっ!あっはっはっはっ!」
「稚春ー!好きだ!!」
煩いんだけど…。
そういえば…この人達は一体誰だ?
塚、笑い転げている人達は大丈夫なの?頭とか頭とか頭とか頭とか……。って、頭の心配しか浮かばなかった。
ありゃりゃ。これは病院に一回、行った方がいいかもしれない。
真剣に悩み始めた頃、隼人がコホンと一つ、咳払いをした。
「お前らもう黙れ。つーか連、稚春から離れろ。全員、名前言え。
お前ら稚春にまだ自分が誰なのか名乗ってないだろ。」
偉そうに黒いソファーに座りながら隼人がそう言ったとたん、さっきまで騒いでいた人達は静かになる。
す、凄い…。
隼人、本当に何者なんだっ!?