赤い狼 壱
「じゃあ俺からさせてもらおうじゃねぇか。俺は
瀬川 銀(せがわ ぎん)。
俺さ~稚春ちゃんみたいな美人もろ好みなわけよ。彼女になってよ?ダメ?」
チャラい。
銀はこれでもかっ!っていうぐらいの極上スマイルで笑い掛けてくる。
おぉお。私のマダムsmileをそっくりそのまましやがった。
くそう。コイツ、あなどれない。
悔しがりながらジッと銀の顔を見つめる。
顔は整っててかなりのイケメン。それで、銀の髪の色が…なんと、ピ…ピンク…。
しゅ、趣味悪っ!!
私の中で銀は趣味が悪い、と判断された。しかも、なんか口説いてきたし。
ははははは。
マジであり得ん。この男。
勢いよく後ろに後退る。
こういう男、マジで無理。私の危険レーダーがこれまでになく騒いでるから駄目だこの男。
塚、誰がお前の彼女になんかなるか!そんな笑顔、私には通用しませんよ!
本当にこういう男は無理だ、と顔を銀から背ける。
チャラい。女の香水の匂いを纏わせながら口説いてこないでよ。