赤い狼 壱
そう思いながら頭を無我夢中で振っていると
「「「「稚春は俺のもんだぁ?」」」」
とても口では説明できないほどの低音が部屋中に響いた。
わんわんと部屋に共鳴する隼人たちの声。
あぁ、綺麗だね、本当に。
疲れきった私は現実逃避に入りつつあった。
連と睨み合う隼人たちを見る。仲良くしようよ。
塚、恐い。
今にもぶちキレそうな顔をしてる隼人達を見る。
仲がいいんだね君たち。なんて温かい広い心で見守るような目で見ようと思ってたけど、私にはやっぱりできなさそう。
恐い。
早く止めさせよう。