赤い狼 壱
塚、私は関係なくね?
隼人になんか怒られることなんてした?
いや、してないよね?どこからどう考えてもしてないよね。
私が怒られる要素ゼロだよね?
私、そろそろ限界なんですけど。
プチン、と私の中で何かが切れる音が確かにした。
ゆらゆら。
座っていたソファーから腰を上げる。
そして、まだペラペラガミガミと私に怒っている隼人を見る。
激しくウザい。
それからそのまま、まだメンチの切り合いをしている男ども四人に視線を滑らせる。
――ブチッ――
もう一度、私の頭の中で何かが切れた音がした。