赤い狼 壱





階段を降りても聞こえる三人の声を聞きながら、そんな事を考えてカラオケへと向かった。





―――――――
―――





「あー、よく歌った。久し振りにカラオケに来たが…悪くねぇ。」




コップに黒色の液体を注ぎながら小さく呟く。



やっぱり珈琲はブラックじゃねぇと俺は好きじゃねぇ。




「よっしゃ、あと一時間はたっぷりと楽しんで歌うか。」




もう四時間ほどストレス発散で歌ったからだいぶイラつきは止まってきた。


おかげで鼻歌が歌えるまで機嫌よくなった。カラオケってスゲェな、と一人で感心の声を漏らす。




俺の部屋ってここ曲がって真っ直ぐ行った突き当たりにあったよな?



確かこの辺で曲がるはずだ、と携帯で時間を確認しながら曲がり角を曲がる。



と、次の瞬間





ドンッ!バシャッ!!





「キャッ!!」




何かに勢いよくぶつかった。


と思ったら珈琲が頭から降ってきた。



まぁ、詳しく説明すればぶつかった拍子にかかった、という事だが………なにせ、俺が入れてたのは冷たい珈琲。





よって、冷てぇ。





< 71 / 299 >

この作品をシェア

pagetop