赤い狼 壱





「う~ん…。」




女が苦しげな声を出す。


さすがのコイツも肩に担がれて寝るのは苦しいのか。つーか背負った方が寝やすいかもしれねぇな。


整った綺麗な顔をジッと見る。


化粧してねぇ、キメ細かい肌。長ぇ睫毛。



化粧してねぇのにこんなに綺麗って相当モテんじゃねぇの?


あ゙ー、なんかモテるとか想像したら腹立ってきた。



独占欲が込み上がってきて女の頬に軽くキスをする。



まぁ今はひとまずはこれで我慢してやる。



ニッと口角を上げる。あー、少しスッキリした。



つーかコイツ、起きてる時も可愛いが寝顔も可愛いな。


って、俺コイツにハマりすぎじゃねぇか?今日逢ったくせに。



なるべく早く動かしていた足をゆっくりとペースダウンして歩く。



目の前にはデケェ真っ白な建物。《SINE》だ。




「起こすのは勿体ねぇけどしょうがねぇ。」




もう一本手があったら写メれるのに。



起こすのを惜しく思いながら気持ちよさそうに寝ている女に声をかける。




あー。マジで写メりたかった。




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