赤い狼 壱
:あり得ない!!
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「まぁ、話の続きをしようよ。」
笑いがおさまったらしい棗が、目の縁に溜まった涙を拭いながら手を合わせる。
まぁって、あなたたちが笑ってたから話ができなかったんですけどね。
過ぎた話だからいいけどもさ。
「それで隼人は何なの?」
「何が?」
「…隼人は何の役割なの?」
携帯を弄りながら話を続ける隼人にイラッとくる。礼儀ってものがないのかお前は。
ってか何で棗が総長じゃないの。すっごく落ち着いてるし、説明上手だし。
棗こそ、総長に最適だとおもうんだけど。私だったら絶対に着いていくのに。
「おい稚春。マジで言ってんのか?よく考えてみろ。副総長が一人、幹部が三人、この部屋に唯一居ないのは総長。
どうだ?俺が何なのか分かっただろ。」
「えっ!?も、もももももしかして…。」
「やっと分かったか。」
ふん、と馬鹿にしたような笑いを見せた隼人。
マジかよ隼人!お前、そうだったのか!まぁ一番、最適だよね!!だって俺様隼人だしね!
「隼人が一番の下っ端!?凄い!最適だよ隼人!!心の狭い隼人にピッタリな役割だと思うよ!」
「てめぇ…。」
…あれ?