赤い狼 壱
何故か命の危険を感じた。
塚、何で隼人の手、そんなに震えてるの?
それに加え、凄い睨んできてるし。私、何かしたっけ?
私が勘違いしてるだけなのかな?ぽけーとしながら隼人を見る。
「じ、上等じゃねぇか。稚春、お前…覚悟しとけよ!」
ど、どうした隼人。ご乱心か!?
怒鳴り散らしてくる隼人に軽く混乱だ。
「いや~。もう面白すぎて腹いてーじゃねぇかよ。稚春ちゃん、面白すぎだわ~。」
「隼人が下っぱとか笑わせてくれるな。マジでそう見えたのかよ、稚春。」
「やー、隼人。ドンマイだね。」
「まぁ、そう言われてみれば似合ってるかもよ~?」
隼人以外の四人は怒鳴る隼人と戸惑う私に指を差してゲラゲラと笑っている。
本当によく笑う人達だ。
「何でよ!私、隼人を怒らすような事言った!?言ってないよね。だって思った事を口にしただけだもん!」
「んだと!?」
喧嘩腰な口調で言ったものの、一応、隼人の機嫌を落ち着かせようとして言ったんだけど逆効果だったみたい。
凄い形相で近付いてくる隼人に顔を引き攣らせる。