赤い狼 壱
まぁ、話を戻してっと。
さっき一瞬、実と香が私にニヤリと笑った気がするんだけど。
香は今もニヤニヤしてるし………
な、何か…嫌な予感。
椅子ごと後退りする。
その瞬間、実と香がムフフ、と笑った。
「「んじゃあ、今日の放課後は私等とお喋りtimeね☆」」
ほら、キター!!
お喋り大好きコンビがっ!!
この前、恋バナしすぎて暴走したのを忘れたのかっ!?
この前の惨劇を思い出して身震いする。
嫌だ嫌だ。絶対に嫌だ。
だから、ここはスッパリと断るのが正解だ。
「絶対に嫌だからね。」
でも、そんな事でメゲナイのがこの二人。
「いいじゃん~!!最近遊んでないじゃんっ!ねっ、いいじゃん~。」
香が上目遣いで私を見つめてくる。
香、私にはその駄々っ子は通じないんだよっ!
ちょっと威張る私。
でも、もう一人は賢かった…
「ねぇ、稚春~?この前、私達と三人で遊ぶ約束、忘れてたよねぇ~?
その借りはどうしてくれるのかなぁ~。」
ひっ!!
怖いですっ!実さんっ!!目がっ!目が笑ってませんよっ!!
思わずブルルと身震いをする。
きょ、きょわい。