赤い狼 壱





むうっと頬を膨らませる。なんか、調子狂っちゃうなー。



隼人と居ると自分のペースが分かんなくなる、と頭を掻く。



あ。そうえば。




「隼人、安全運転って言ってたけど何で送るつもり?」




送るってあんた歩いてきたじゃん。と右の眉を少しだけ上げた私に隼人は何言ってるんだ、という顔をする。




「バイク。」



「そうなの?バイク持ってるの?塚、隼人って何歳?」



「17。」



「私と一緒じゃん。」




暴走族なんだからバイク持ってるの当たり前だったと気付いて安心した。


だって一緒に歩いて帰るんだったら隼人に申し訳ないじゃん。遠いし。



塚、私と歳が一緒とかビックリだ。隼人の方が歳上かと思ってた。




思わず意外、と口に出すと隼人もそう思ってたらしく、本当。と笑って頷いてきた。


笑ったら意外と可愛い。




「皆も17?」



「いや、連だけ一つ下。」




行くぞ、と言ってまた歩きだす隼人の後を着いていく。


必然と目に入る背中を見て驚いた。背中、広っ!





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