天使と悪魔のLOVEGAME【完結】
「バイバイしよ…?」
もうこんな女に未練なんてないでしょ?
私はベンチから立ち上がり、八頭の前に立ちはだかった
『しなきゃだめか…?』
「うん」
『まだ、凪が好きって言ってもダメか…?』
「うん」
『そんなにあの彼氏が好きか…?』
私はクスッと笑った
「あいつはそんなんじゃないよ。八頭に会いたくなかったから手伝ってもらっただけ…」
誰かを好きとかいう感情は捨ててしまった…
「でも…そうね、私にはあれくらい厳しい男がいいかも…」
あいつは甘やかすなんて絶対しないもの
「じゃあね―…」
私は一言、言い残すと俯く八頭に背を向け歩き始めた―…
『凪っ!!』
振り返らない…
どんなに八頭の声が切なく響いたとしても絶対に
『愛してたっ!!ガキなりに本気で…っ…』
振り返らない…
どんなに心が揺さぶられたとしても絶対に
私は結局、一度も八頭を振り返らなかった
バイバイ…八頭…