天使と悪魔のLOVEGAME【完結】
ホテルに隣接するショッピングモールはとてつもなく広くて私は圧倒された


匡人は躊躇いもなく足を運ぶ


すれ違いざまに色々な人が匡人に頭を下げていった


「ねえ…何でみんなあんたに頭さげてんの…?」


『俺だから』


匡人はいかにも面倒くさそうにその場をやり過ごす


ふと疑問に思う


どうして匡人は私に構うのだろうか?


八頭のことにしても普段のことにしても…


だっておかしいじゃない


私はただの庶民だし、あんたにとって何の価値もない女じゃない?


ねえ、やめてよ


これ以上あんたのペースに巻き込まれたくないの


あんたの傍にいると私、おかしくなりそう…っ…



『お前、歩くの遅すぎ』


私はいつの間にか体を小さくして震えていた


顔を上げると匡人の切れ長の眼に捉えられた


『のろま』


匡人は私の手を掴み再び歩き出す


ほら…今だっておかしい


触れられたくないのに…


構って欲しくないのに…


心のどこかでその逆を望んでる


こんな自分…大嫌い





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