天使と悪魔のLOVEGAME【完結】
私って匡人のことなんにも知らないんだな…
どこのブランドが好きだとか何色が好きだとか、付き合いはそれなりに長いのに何一つとして知らなかった
そうだよね…
私たちってお互いのことなんか話さないもん
クスッと笑いがこみ上げてきた
知る必要なんて感じなかったのに今更どうしたんだろう?
私は匡人から視線をはずし、外を眺めた
良い天気…
眩しいくらいに太陽が降り注いでいる
クーラーの効いた室内にいるのがひどく不健康に思えた
『なに見てんだよ』
一通り買い物を終えた匡人が隣に並ぶ
「別に~海水浴って気持ちよさそうだな~って思っただけよ」
『お前も泳げばいいだろ?』
「私、肌弱いの。少しの日焼けが火傷みたいになっちゃうから海なんて入れないの」
『それはお気の毒様』
全然気の毒だなんて思ってない匡人の励まし
「部屋に戻る?」
うん、買い物も済んだみたいだしね