天使と悪魔のLOVEGAME【完結】
『ねえ…あの建物って何…?』
凪が指差したのは海岸沿いにあった白い建物だった
「……水族館」
懐かしい…
ガキの頃に一回だけ行ったな…
『あそこに行きません?水族館なら涼しいし…』
そう言うと思ったぜ…
「わかった」
『うわ~』
「バカみたいに口開けんな。」
凪は俺を睨みながら口を閉じた
『いいじゃない!!水族館に来るなんて久し振りなんだもん!!』
水槽に両手をついて熱帯魚だかなんだかを熱心に見る凪
その様子はまるで子供のようだった
薄暗い館内には俺たちの他にもカップルや家族づれなんかがいる
夏休みらしいありふれた光景だ
「はぐれるなよ」
今にもどこかに行きそうなので、俺は凪の手をとった
『あ―…うん…』
凪にしては珍しく素直に頷いた―…