天使と悪魔のLOVEGAME【完結】
『待って!!私も…ってあれ?』
後ろを振り向くと、凪が片足を上げサンダルのヒールを確認していた
「どうした?」
『……蹴りを食らわせたときに折れたみたい』
確かに…
凪のサンダルのヒールは根元から折れていた
『あーあ…結構気に入ってたのに…』
凪はもう片方のサンダルも脱いで歩き出した
「この、バカ!!」
俺は素早く凪を担ぎ上げた
『え!?あ!?ちょ、ちょっと!!』
「裸足で道路なんか歩いてみろ。怪我するぞ!!」
『そうだけど…!!』
抵抗しようとする凪を力ずくで抑えつける
「少しくらい我慢しろ。直ぐ着く」
そう言うと凪はおとなしくなった
ホテルまでの道筋をひたすら歩く
『ねえ…匡人…』
俺の首にまわっていた凪の腕の力が強くなる
『ごめんね…』
耳元で囁かれた小さな言葉は俺の心を埋めるのには十分だった――…