天使と悪魔のLOVEGAME【完結】
過ち~NAGI~
「うわあ…すご…」
『好きなの選べ』
匡人が連れて来てくれたのは先日行ったショッピングモールから少し外れたところにある靴屋さんだった
「すてき…」
ショーケースに飾ってあった1足を手にとってみた
スパンコールやビーズがふんだんに使われている
1足1足の完成度が高い
『ホテルまで担ぐのは面倒だからな。ここで買う』
「買うって…」
いったい、いくらすんのよ…
私は当然、つけられているはずの値札を探した
ん?
「ねえ…匡人…これ『いらっしゃいませ、東城様』
私の問いかけはにこやかな笑顔の店員に阻まれた
『彼女に似合う靴を』
匡人はよそ行きの笑顔で応える
『かしこまりました』
店員は恭しく頭を下げると店の奥に消えていった
「……ねえ」
『なんだ?』
「この店の靴…値札がないんだけど…」
匡人はクスッと馬鹿にしたように笑った