天使と悪魔のLOVEGAME【完結】


『どうだ?』


跪いたまま顔を上げる匡人


柄にもなく、心臓が跳ね上がる


「あ―…これなら履きやすそう」


悟られないように無理に笑顔になる


『これでいいな。すいません』


匡人は店員と何事か話しかけた


私はホッと一息ついた


匡人が傍にいると落ち着かない


さっきもそうだ


私を担いだ腕も結構しっかり筋肉がついていて否応がなしにあいつが男だってことを意識させられた


やだ…何考えてるの…?


あいつを“男”として見るなんて…!!


自分の考えにひどく混乱させられる


あいつは私を玩具として躾けたいだけなんだから!!


『凪、帰るぞ』


「あ、うん…」


値札のないミュールを履いたまま店を出る


自然と追いかけるその背中


無意識に芽生えた想い―…


その正体にもっと早く気がついていれば…


この気持ちの処理の仕方を間違えることはなかったかもしれない…



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