天使と悪魔のLOVEGAME【完結】
気まずい…
そう感じたのは俺だけではないようだ
『……私も浴びてくる』
脱ぎ散らかしたままの服を手に取り、凪がバスルームへと向かう
「待てよ」
俺はすれ違いざまに凪の腕を掴んだ
気がついた
こいつは今日、一度も俺と目を合わせようとしていない
『なに…?シャワー浴びたいんだけど…』
「ちゃんと俺を見ろ」
その目に俺を映してくれ
『さっきから見てるじゃない…』
違う…
『もういい?早く着替えないと美弦達が来ちゃうわ』
俺は凪から手を離した…
バタンとバスルームの扉が閉まった
「んだよ…」
なんだよ…
やっと俺のものになったと思ったのに…やっぱり凪の目に俺は映ってなかった
一度は手に入れたと思った
でもそれは…一夜限りの幻だった
どうやったら手に入るんだよ…っ…
近くて遠いあいつ
体は手に入ったとしても何も変わらない…
空しい…
俺はぐっと拳を握り締めた―…