天使と悪魔のLOVEGAME【完結】
『帰って!!』
暗闇を切り裂くような鋭い響きが聞こえた
大原…?
俺は眉をひそめた
バイトがあるとか言ってさっき帰ったはずだろ…?
校門の前にはもうひとつ人影があった
『凪…』
もうひとつの人影はあの男だった
そう…大原の元彼だっていうあの男…
痴話喧嘩はよそでやれって言っただろうが…
俺は正門から出るのを諦め、裏門へと方向を変えようとした
その時、ふと気がついた
ここで大原に貸しを作っておくのも悪くない…
最近何かと反抗的だからな、あいつ…
ここで立場をはっきりさせとく必要がある…
大原の地団太を踏む姿を想像するだけでクツクツと笑いがこみ上げてきた
俺は意気揚々と大原達のもとへ向かった――…