天使と悪魔のLOVEGAME【完結】
『泣いてない時の方が幾らかましだな』
会長は優しく私の頭を撫でた
優しくぅぅ――っ!?
有り得ない!!
「何か…企んでます…?」
涙は引っ込んだ
代わりに生まれた恐怖心
『人の励ましくらい素直に受け取れよ。バーカ』
会長は今度はガシガシと頭を撫でた
励ましてくれたの…?
変なの…
会長のクセに…
『あっ!!忘れてた』
会長はいま、まさに思い出したようにポンッと手を叩いた
『今日の書類の残りはお前がやっとけ』
はい~?
「な、ん、で!!」
『助けてやっただろ?』
それは…そうだけど……
「わかりました…」
私は嫌々ながらもそう答えた
悔しいけど会長に励まされたことに少しは感謝してたからね?
でも、まさか次の日に書類なんて構っている暇がないくらいの大事件が起こるなんて
この時の私は全く知らなかった―…